お花を通して、「私」を取り戻すレッスン

生徒さんに、「このお花の中でどのお花が好き?」とよく聞きます。
生徒さんにお花をよく見てもらい、どんなところが好きだからこういうデザインにしたい等考えてもらうためのヒントとして聞いています。
教室に通い始めたばかりの人に多いなぁと思っているのが「うちの子だったらこれ好きそう」というこたえ。
家族のことを1番に考える素敵な方であることがわかりますよね。
誰かが喜ぶことを考え、誰かが困らないように動き、自分のことよりも周りを優先している人は、
つい、どのお花が好きかという問いに「私は」と考えるより先に「うちの子」の気持ちが浮かんでしまうんですよね。
あなたは私はこのお花が好き!と言えますか?
「私」の思いを伝える機会が少ない
私の教室には40・50代の女性が多いです。
子育てを頑張ってきた人、仕事を頑張ってきた人、親の介護を経験した人。
みなさん本当によく頑張ってこられた方ばかりです。
そんな方たちが毎日の暮らしの中で考えるのは、家族のこと、職場のこと、周りの人が困らずに過ごせるようにするために、本当によく考えています。
だから、「私はどうしたい?」「私は何が好き?」そんな問いを自分に投げかける時間や環境がほとんどなくなっていました。
それが悪いことだとは私は思いません。
誰かを大切にできることは、その人の素敵なところだからです。
でも、その優しさと同じくらい、自分の気持ちも大切にしてほしいと私は思っているので、みなさんには「私」の好きを感じて表現してもらっています。
自由って難しい
お花あそびレッスンでは、お花を自由にアレンジしてもらっています。
生徒さんは自由という課題に喜びを感じる人もいますが、「みんなはどうしているのか」「先生ならどうするか」そんなことを気にする声が実は多いんです。
それは、自分で選ぶことに慣れていなかったり、人の価値観に合わせたいという無意識な力が働きやすかったりするからです。
自由というのは好きなようにしていいということ。
でも、そのためには「私は何が好きなんだろう」という感覚が必要になります。
だから私は、「正解はこれです」とは言いません。
代わりに、「あなたはどう感じますか?どちらが好きですか?」等その人の感覚を呼び戻すお手伝いをしています。
お花を教えているようで、本当は自分の心に耳を傾ける時間を一緒につくっているのかもしれません。
「好き」は自分らしさの入り口
私は「好き」という気持ちはとても大切だと思っています。
好きな色、好きな形、好きな空気感。
それは、その人らしさが表れるものだからです。
同じ花材を使っても、優しい作品になる人もいれば、伸びやかな作品になる人もいます。
すっきりしたデザインが好きな人もいれば、森のような複雑なデザインが好きな人もいます。
どれも間違いではなく、それぞれの好みですよね。
だから、私は生徒さんの「好き」を大切にしたいのです。
でも、ここで一つ思うことがあります。
「好き」と感じるだけでは形にならないことがあるんです。
技術は「好き」を叶えるためにある
例えば、夕焼けを見て「きれいだな」と思うのには知識はいりません。
でも、その美しさを絵で描こうとしたらどうでしょう。
構図や色彩、光と影のつけ方等知識があることで、自分の感じた景色にもっと近づけて表現することができます。
お花も同じで、「こんな雰囲気にしたい」「この花をもっときれいに見せたい」そう感じたものを形にするために、デザインの理論や技術があります。
だから私は技術とはだれかと同じ作品を作るためのものではなく、
自分が美しいと思ったものを、自分の手で形にするための力だと思っています。
感性だけでも足りない、技術だけでも足りない。
感じる力と形にする力の両方があって初めてその人らしい作品が生まれるのではないでしょうか。
「私」が育つ場所
いつも「娘は」と言っていた生徒さんはレッスンを始めて2年になります。
それでも今も「私はこっちが好き」とはすぐには言えません。
何十年も誰かのために生きてきた人が、月1~2回のレッスンで変わるわけではないのです。
でも、私はそれでもいいと思っています。急がず、ゆっくり「私の好き」を育てていく。
お花を習うことは、自分らしく生きなさいと言われる場所ではありません。
誰かを大切にしてきたあなたが、ほんの少しだけ自分にも問いかけてみる場所です。
私はどっちが好きなのか。その問いを繰り返すうちに、お花を選ぶときだけではなく、休日の過ごし方を決めるときや、食べたいものを決める時など、少しずつ「私はこうしたい」と思える場面が増えていくように思います。
「私はこれが好き」そう自然に言える人が一人でも増えたら嬉しいなと思い、お花を作る時間は私を取り戻す時間になるよう、そんな時間を一緒に育てていきたいと思っています。
どんなレッスンをやっているの?気になった方は体験レッスンに来てみてくださいね☆
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