お花のデザインは「感覚」と「理論」どっちが大切?

「センスがないからお花のアレンジは苦手なんです」
フラワーアレンジメント教室をやっていると、そんな言葉を何度も耳にします。
確かにお花のデザインには感覚的な部分があります。
色の組み合わせを見て「素敵」だなと感じたり、枝の流れを見て「この向きが好き」だなと思ったり。
でも一方で、「なんだかまとまらない」「何かが違う」「好きな雰囲気はあるのに、思ったように作れない」
そんな悩みを抱える方も少なくありません。
そんな方は理論の部分が不足しているせいかもしれません。
では、お花のデザインに必要なのは、感覚なのでしょうか?それとも理論なのでしょうか?
一緒に考えてみましょう☆
感覚は自分だけの「好き」を見つける力
私は、お花のデザインにおいて感覚はとても大切なものだと思っています。
なぜなら、最初にあるのは「この花好きだな」「この色合わせ素敵だな」「この空気感心地いいな」という自分の心が動く瞬間だからです。
例えば、夕焼けを見て、「きれいだな」と感じるのに理論入りません。
感動することに資格も知識も必要ないのです。
でも、その夕焼けの美しさを誰かに伝えたいと思ったときはどうでしょう。
絵に描くなら、構図や色彩の知識があることで、自分が見た景色に近づけることができます。
写真を撮るなら、光のとらえ方や画角を知ることで、見た人にもその感動が伝わりやすくなります。
お花も同じです。
同じ花材を使っても、人によって全く違う作品が出来上がります。
ふんわり優しい雰囲気になる人。
のびやかで自然な作品になる人。
すっきりと洗練された印象になる人。
この違いは技術の差だけではありません。
その人が、何を美しいと思うのか、どんなものに心地よさを感じるのか。
そんな感覚が作品に現れるため、感覚はその人らしさとも言えます。
だから私は生徒さんに「正解」を押し付けることはしたくないため、
「これで合っていますか?」と聞かれても「どう感じる?」「どっちが好き?」と問いかけることがあります。
お花を通して育ててほしいのは、花の知識だけではなく、自分の感覚を信じる力だからです。
理論は自分の「好き」を形にするための地図
ただ、ここで一つだけ問題があります。
感覚だけに頼ってしまうと、自分が感じている「素敵」を思うように表現できなくなることがあるのです。
「なんとなくバランスが悪い気がする」「何か違う」そう感じることはありませんか?
実は、その「何か」には理由があります。
高さの比率や花の配置、色彩のバランス、視線の流れ、余白の取り方・・・
フラワーデザインには、美しく見えるための法則があります。
絵画や建築、インテリアデザインにも共通する考え方です。
理論を知ることで、「なんとなく好き」が「こうすると心地よく見えるんだ」へと変わっていきます。
例えば、お花をぎゅうぎゅうに詰め込むと窮屈な印象になりますよね。
逆に余白を作ることで、お花は呼吸を始めます。
高低差を付けると動きが生まれ、色彩を絞ると洗練された印象になります。
これらはセンスではありません。知識なんです。
知識があることで、自分が感じている「素敵」を再現できるようになるのです。
私は理論とは「正解を覚えるためのもの」ではなく、「自分が美しいと思ったものを、相手にも伝わる形にするための道具」だと思っています。
感覚が行きたい場所を決め、理論がそこまで連れて行ってくれる地図。
そんな存在なのです。
理論は自由を奪うものではない
理論を学んだら「自由じゃなくなりそう」と不安になりませんか?
私は最近、実は逆なのではないかと思っています。
自由って本当に何も決まりがない状態なので、「好きにやっていいですよ」と言われると困ってしまうことがありますよね。
でも、「花材と器はこれ」と言われると、じゃあどうしようかと考えることができます。
人は完全な自由よりも、少し制約がある方が創造性を発揮しやすくなることがあるんです。
理論も同じではないでしょうか。
理論は枠にはめるためのものではなく、自分の感覚を安心して試せる土台になります。
土台があるから冒険できる、ルールを知っているからこそ崩すこともできるということなんです。
最終的に目指したいのは「私はこれが好き」
お花を習い始めたばかりの頃は、「これでいいですか?」「正解はありますか?」と聞く方が多いです。
でも、続けていくうちに「私はこっちの方が好きです」と言えるようになります。
私はその変化がとても嬉しいのです。
お花の技術が身についたことも素晴らしい。
でもそれ以上に、自分の感覚を信じられるようになったこと、好きなものを選べるようになったこと等の変化は
お花だけでなく、暮らしの中にも広がっていくように思います。
お花はそのまま飾っても十分美しい存在です。
それでも私たちがあえてアレンジメントを作るのは、お花を飾るためだけではないのかもしれません。
お花を通して、自分の思考の癖や美しいと思う感覚への気づき、そして「私はこれが好き!」と言える自分になるためだったりもするのではないでしょうか。
感覚は、行きたい場所を教えてくれるもの。
理論は、そこまで連れて行ってくれる地図。
その両方があるからこそ、お花の世界は深く、おもしろく、そして人を少し自由にしてくれるのだと思うのです。
よって、どっちも大切♪
でも、行きたい場所がないと地図はいらないから、強いて言うなら感覚の方が大切なのかな。
はなのあ教室は「感覚」も「理論」も大切にしたレッスンを行っていますので、ぜひレッスンで体感してみてくださいね。

